Section04 コラム

今更ながら、半沢直樹を読んでみた

今更ながら、半沢直樹を読んでみた

3月初め、昔の勤務先の同僚から一通のメールをもらいました。 最近彼が読んだ本で、強く印象に残った本を「読んでみたらどうですか?」というものでした。 その本は、昨年テレビドラマで話題となった『半沢直樹』の原作になった、池井戸潤氏の「オレたちバブル入行組」、「オレたち花のバブル組」、「ロスジェネの逆襲」の3冊でした。 あいにく私は、このドラマを見ておらず、そのタイトルだけ知っていました。

昨年春、妻が膝関節変型症で御成門の東京慈恵会医科大学附属病院に一か月ほど入院していた時、お見舞いにいらした横浜高島屋の外商担当の方からいただいた本が、まさにそれでした。 そのため、ちょうどこの3冊が手もとにあり、普段あまり文庫本を読まない私ですが、友人から勧められ、読むことになりました。
池井戸潤氏は、銀行員の経歴があります。 3冊すべて、銀行員の半沢直樹を主人公にした銀行内部に渦巻く人間関係を深く掘り下げた小説です。 3冊のうち、手もとにあった順にまず「オレたち花のバブル組」から読み始めました。 これを読み終えてから読む順序を間違えたことに気がつきましたが、後のまつりでした。 最初に半沢直樹が銀行の営業第二部課長時代を描いた「オレたちバブル入行組」から読み始めるのが本来だったのです。 しかし、その次の「オレたちバブル入行組」は、半沢直樹が数年後に次長になることがわかって読んだので、ストーリーの理解がよくでき、このような読み方もまた面白いと感じました。

今更ながら、半沢直樹を読んでみた

どこの会社でも、正論を振りかざし、反逆精神の塊みたいな社員は1、2名はいるものです。 私の過去約50年間の会社勤務を振り返り、その時の社員と半沢直樹をだぶらせながら読みました。 銀行に限らず、役員・部課長クラスへの出世を夢に見ている人が、人脈を作ったり、派閥で固まったり、情報戦を繰り広げてたりしている様はどこの職場も同じです。 しかし、最後は実績を上げて、考えがまっすぐな人が勝利をつかむと私は考えています。
半沢直樹は、情報入手の方法や、相手と面談するときにポイントをあらかじめ整理して、相手の出方を見ながら自分の思っている方向に導いていくことにたけています。 そして、その行動力が素晴らしい!このような部下がいたら頼もしいと思います。


最後に読んだ「ロスジェネの逆襲」は企業買収に絡む内容でした。 銀行、証券会社、企業の情報合戦とまさに人脈が渦巻く世界を深くえぐっていて、私が経営者として25年の中で対応してきた銀行、証券会社の幹部社員がいかに企業の中に深く入り込み、他行や競合相手よりより早く情報入手し、よりいい提案ができるかを争っていたことが、昨日のように思い出されますが、実際の銀行員は、半沢直樹みたいな活発な戦略を持った人物は少ないように思います。 ここに出てくる銀行、証券会社は架空の設定になっていますが、3冊を読み終えた今、みずほ銀行、みずほインベスターズ証券をモデルにしたのではないかと思える節がありました。と思ったのは、私一人だけかもしれませんが!!

松村 勝正



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