Connections テクノアルファ Webマガジン

Jan. 2014 Vol.5

Section01 パワーデバイス業界ニュース

装置メーカーから見たパワーデバイス市場未来予想図 第1回
~身近な製品動向から市場拡大の根拠を探る~

パワーデバイス市場未来予想図

今回のWebマガでは、パワーデバイスといわれる難しい専門的部品ではなく、もう少し分かりやすい視点で、ある最終製品から市場がどのように拡大するかを予想してみました。 一般にパワーエレクトロニクス機器にはいろいろあり、冷蔵庫からノートパソコンまたは電気自動車やエレベーターまで私たち身の回りにあふれています。 ではなぜその製品の中にパワーエレクトロニクスといわれる部品が使用されるのでしょうか。 それは、新聞等でよく目にする中国のPM2.5の問題や資源枯渇に起因して、省エネや地球環境への保護意識が高まっていることです。 そのため、電力・制御効率に特化したIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)といわれるチップを使い、効率よく製品を制御して、最小限の電力で最大限の効率を実現させようとしています。
ではこのような万能なパワーデバイスが今後どのように広がっていくのでしょうか。 省エネへの取り組みを通じて、一番イメージしやすい電化製品である冷蔵庫や洗濯機、エアコンを例に考えてみることにします。

インバータ搭載洗濯機

冷蔵庫などの白物家電にはインバータが搭載されています。 皆様ご存知の通り、「インバータ」は電源の交流を一旦、直流に変化させ、それを可変周波数、可変電圧に変換する装置です。 これはすべて、サイリスタやIGBTなどの電力変換半導体デバイスで構成されており、簡単に言い換えると、制御を効率化して、省エネにつなげます。 インバータ化は日本国内では進んでおり、冷蔵庫は5割、洗濯機7割、ルームエアコンでは約9割以上に搭載されているのが現状です。 しかし、中国や東南アジア市場では洗濯機で約20%未満、冷蔵庫で約25%、インバータ搭載率が一番進んでいるといわれるエアコンでさえ約50%前後で、まだこれから発展する市場と予想されます。 特に中国では規制が強化され、今後省エネ技術が更に注目されると予想されます。 エアコンに関しては2020年頃には世界のインバータ搭載率が7割を超える予想もあるほどですので、今後期待される市場の一つではないでしょうか。


ハイブリット車

次にもう一つ、エコと言う観点から一番イメージしやすいハイブリットに代表される自動車の市場を考えてみます。 燃費が良く人気のハイブリット車(HEV)は2013年には初めて国内販売数が90万台を超えるという勢いですが、この数字は、軽自動車を除く中・小型車の3台に1台がハイブリット車という計算になります。 確かに車を運転していても、HEVを頻繁に見かけるようになりました。ところで、HEVの先駆けは、皆様のご存知のトヨタ自動車のプリウスです。 1997年に発売され、現在は不動の人気を保っていますが、発売当時の販売台数は年間2万台を超えることはなく、第1世代末期には1万台を割り込んでいました。 しかし省エネ意識の高まり、またガソリン価格の高騰により第2世代以降は大ヒットしました。また他社の参入により、HEV市場は2011年には約50万台、2012年87万台と着実に市場を拡大し現在に至っています。 ちなみにプリウスの発表当初の燃費は28.0km/l(10・15モード)で、現在では37kmにも達するHEVが登場し、技術の進歩には皆様も驚かれたことでしょう。

ところで、ハイブリット車にもインバータが使用されており、当社で扱うリボンボンディング技術も世界で初めて搭載され、最先端技術の一端を担っています。 では、日本国内で発達したHEV市場は今後どのようになっていくのでしょうか。 国内市場は2020年は2013年より微増との予想ですが、欧米メーカーの新車投入も計画されていることから、2020年頃には世界的なHEV市場は400万台以上と予想されて入ります。 しかしながら欧州市場はディーゼルの人気が根強く、ディーゼルエンジンの改良や燃費改善、CO2削減の対応が行われており、普及に時間がかかると思われます。 またHEVにかわるプラグインハイブリット車(PHEV)や、電気自動車(EV)の開発も進んでおり、特にパワーデバイスの長期需要を支えるEV車の動向は今後の我々が注目すべき大きな要因の一つだと思われます。

ではEV車の現在の動向はどうなっているのでしょうか。 ご存知の通り、日産自動車が2010年に「LEAF」を販売し、2013年のEV車販売数量は国内で17千台、海外で12万台程度です。 2020年には世界で140万台に迫る販売台数が予想されていますが、充電スタンド等のインフラも必要となるため、市場の成長は今後の動向次第とは思われます。 しかし、現在の中国を筆頭とする新興国の環境の状態を考えると、世界的な省エネや地球環境への取り組みは更に広がりをみせると思われ、その実現に必要なインバータなどの部品はエコ技術のコアな部分であることから、パワーデバイス市場は今後も拡大し続けていくと思われます。 そのため、当社としても市場のニーズに合った装置また技術開発を進め、これまで通り10年後を見据えて、社員一丸となって努力を日々続けております。

次回は製造装置の視点からパワーデバイス市場の将来を考えてみたいと思います。

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