Connections テクノアルファ Webマガジン

Jan. 2014 Vol.5

Section01 パワーデバイス業界ニュース

Pbフリーリフロー技術 ~第3回 ベーパーフェイズ(VPS)リフロー技術:最終回~

とうとう最終回となりましたのでまとめに入らせていただきます。

昨今のデバイスの特徴

パワーデバイスのようにサイズの縮小に反して、熱容量の高いデバイスが増えているので、それらを従来の設備でリフローするには設備の大型化や改造コストの増加が懸念されます。

プロファイルグラフ

VPSの挑戦

VPSがRoHS(無鉛化)対応により懸念される、ボイドを含むハンダ不良低減に最適であることは、前回まで述べてきた特徴の「加熱温度の安定性」にあります。

  • ベーパー相の中では非常に安定した加熱と無酸素状態に非常に近い状況でハンダを溶かすため無鉛ハンダにおいても濡れ性を保つことが可能です。もちろん、⊿Tも非常に小さくなります。
  • デバイスに加える熱は熱媒の沸点=リフロー温度を超えることは絶対にありません。
  • リフロー時の立ち上がり速度(温度プロファイル)については進入速度の調節で可変が可能です。

パワー半導体に代表される極小はんだ付けなどに関しては非常に重要な課題となっていますが、VPSの特徴を利用すればそれらの問題は簡単に解決することが可能となります。

ラインナップ

VPSのラインアップはラボ用や多品種少量向けをはじめとして大量生産に対応したものまであります。

  • バッチタイプ
    冷却装置を内蔵した卓上型から大型/高マスデバイスに対応したものまで多様
  • インラインタイプ
    メッシュコンベア式、パレット搬送式、エッジガイドコンベア(通常のコンベア方式)などがあります
  • ポイントリフロー
    VPリワーク装置
  • その他カスタマイズ
    N2対応、真空対応、温度調節機能など、装置本体にかかわらず付帯する搬送装置等も含めてお客様のニーズに応じた柔軟で多様なリクエストに応えることが可能です
使用熱媒(リフロー温度)

VPSに使用する熱媒は数社で作られていますが、弊社では無害で温暖化など環境にも影響のない成分で構成されたソルベイスペシャルティポリマーズ社ガルデンをお薦めしています。

  • LS200 200℃ 有鉛ハンダ向け
  • LS210 210℃ 有鉛ハンダ向け
  • LS215 215℃ 有鉛ハンダ向け
  • LS230 230℃ 無鉛SnAgCuハンダなど
  • XS235 235℃ 無鉛Sn100Cハンダ、SnCuハンダなど
  • HS240 240℃ 無鉛SnCuハンダなど
  • HS260 260℃ 無鉛特殊ハンダなど

※ガルデンは上記のいずれの種類も混ぜて使用することが可能です。 これによりお客様のニーズにあった特殊な温度を容易に作製することができます。 また、この特徴を利用して温度調節も可能です。

スループット

VPSを使用することによる生産効率には以下の特徴があります。

  • 多品種少量生産のための段取り替えの簡素化
  • 小型化、高熱容量化において、従来の対流リフローに対する取扱効率や製品のリフロー精度を向上
  • 従来の汎用ラインでも高品質ラインと同等の生産性を保てる
  • 使い古した熱媒も廃棄せず有効利用可能
  • 熱媒は人体及び環境に影響を与えることがない
  • 多品種生産においても若干のプロファイル変更で対応可能
  • プロファイル作成が容易
  • 装置の選択肢として、バッチ式とインライン式あるいはポイント式など多様なラインアップ
ランニングコスト

VPSは、従来の対流式リフローと比較すると熱媒を使用する分ランニングコストがあがります。 しかし、簡単な装置構造により、使用電力の削減や熱媒の再利用などによるコスト削減が可能です。 N2リフローと同等のランニングコストなのですが、熱媒回収装置を用いることで更なるコスト削減に貢献します。

  • ベーパー中では不活性な雰囲気となるのでN2は不要
  • 熱媒による熱伝達を行うため熱伝達効率が対流式の10倍以上となるため消費電力が少ない
  • 熱媒回収装置を用いることで消費量の8割回復も可能
  • 装置のフットプリントサイズが同等レベルの対流式装置と比較して小さく収まる
  • 装置構造が他の設備と比較して簡単であることからメンテナンスが簡略化を実現
  • ボイドなどのハンダ不良が極めて少ないことからリワークによる時間的、コスト的ロスを削減
  • 複数回のハンダ付けを必要としていたデバイスでも一度のリフローでハンダ付けが可能
  • 多品種生産でもプロファイル数を少なくすることが可能
  • 無鉛ハンダ、有鉛ハンダ 混在の生産においてもデバイス変更のための装置セッティングが不要

VPSリフロー装置

このように、多くのメリットを含んだ設備であることはおわかりいただけたでしょうか。
VPSの濡れ性を利用してフラックスレスでの実装も容易になります。

これまで、対流式では困難であったデバイスや高品質デバイスに特化されてきた方式ではありますが、ランニングコストの改善などにより一般的に使用しやすくなった方式と言っても過言ではありません。

VPSにご興味をもられたなら是非一度弊社にお問い合わせください。
きっと貴社にとってもメリットを享受することが可能です。

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