Connections テクノアルファ Webマガジン

Jan. 2014 Vol.7

Section01 業界ニュース

装置メーカーから見たパワーデバイス市場未来予想図 Ⅱ
~パワーデバイスのアプリケーション別動向を探る~

iphone

前回のWebマガでは身近な製品に注目し、今後の成長を予想してみましたが、今回はその製品に搭載されている部品単位のデバイスについて、最終製品の動向を踏まえ、考えてみたいと思います。
まず、パワーデバイスと申しましても多種多様な製品が存在します。 シリコン系のディスクリート製品を大きく分けると、ディスクリート、パワーモジュールになります。 ディスクリート製品はトランジスタ、ダイオード、コンデンサ、サイリスタなどの単機能素子で、冷蔵庫からパソコン、スマートフォン等多くの製品に組み込まれています。 ちなみにスマートフォンを代表するiPhoneは2007年の1月に発売され、発売当初のモデルの色はシルバーのみ、また容量は4GBと8GBしかなかったのを覚えています。 しかし現在の最新型のiPhone5sでは16GBから64GBまでリリースされており、カラーバリエーションも豊富で、初期型が発売されてからまだ8年弱ですが、新たな市場を開拓した画期的な製品となりました。 しかし、このようなスマートフォンの登場により、これまで市場を独占してきたパソコンは、スマートフォンやタブレット端末に置き換えられつつあります。 その影響で、部品搭載数の多いパソコン市場全体の先細りが懸念されています。 それを補う更なる成長分野と期待されるのが自動車で、電装化が更に進むと考えられています。 現在、私たちの周りでもカーナビ、エアコンやオーディオなど自宅にあるような電化製品が自動車に搭載されているのを目にすることがあるのではないでしょうか。 そのような製品が今後さらに搭載されることにより、ディスクリート市場を牽引し、更なる拡大をもたらしてくれると思われます。

パワーモジュール

次にパワーモジュール製品ですが、MOSFETモジュール、IGBTモジュールやインテリジェントパワーモジュールなどがあり、MOSFETモジュールは民生機器、例えば冷蔵庫や洗濯機にも搭載されています。 またIGBTモジュールは自動車用のインバータや鉄道車両、または新エネルギー分野の風力発電や太陽光発電用のパワーコンディショナに使用されています。 IGBTモジュール市場は2011年の震災の影響やエネルギー関連の設備投資が活発化して、受注先食いの形で市場規模が大きく盛り上がりました。 しかし、2012年は世界的な市場の停滞に加えて、2011年の反動もあり需要が沈静化してしまいました。 2012年のIGBTモジュールのワールドワイドな販売金額を見ると約1,350億円程度であり、2011年度の約1,700億円に比べ数値的に大きく落ち込んでいるのがわかります。 しかし、2013年は約1,500億円まで回復するとみられます。自動車のエコカー需要や、新興国を中心とした鉄道インフラ網の整備計画があり、今後期待がもてる分野だと思われます。

新幹線

特に中国の鉄道計画は目を見張るものがあります。 昨年11月末に発表されたのは、中国国内の鉄道の総延長を2020年までに現在の5割増しの12万キロに延ばし、投資額は約65兆円とする驚きの計画です。 ちなみに中国の鉄道省によると、この高速鉄道網の計画を「四縦四横」政策と名付けているらしく、時速300キロ以上の高速鉄道を中国国内に縦4本、横4本作るもので、これが実現すれ広大な中国全土が高速鉄道でつながります。 北京オリンピックを思い出すと、すでにこの壮大な計画の第一歩がスタートしています。 オリンピック直前に開業した北京⇔天津間で、始発駅の北京南駅をテレビで見たときは、強大なロビーなど近代的な建物が印象的だったのを覚えています。 またタイ、シンガポール、マレーシア、インドなどでも高速鉄道建設計画があり、その距離の合計は1万キロにも達するそうです。
ちなみに世界中で鉄道計画に参加できる国は限られており、欧州や日本、または中国の数ヵ国しかありません。 その中でも欧州のメーカーは建設コストがやや高めの為、今後東南アジアの高速鉄道計画では中国と日本がかなり競合するケースが発生すると思われます。 日本は50年以上に及ぶ高速鉄道の経験が有りますが、中国はコスト競争力に加え、5年で1万キロの高速鉄道建設を成し遂げた実績もあるので、今後日本企業がどこまで検討できるかにより、われわれ装置メーカーにもたらす影響も大きいのではないでしょうか。

ディスクリート

最後に今後注目される次世代パワー半導体について考えてみます。 現在、SiC系デバイスの市場は、この分野に先行するメーカーに対してのサンプル出荷段階にとどまっており、市場規模は2014年実績で約74億円程度ですが、2015年には倍増すると言われています。 今後量産対応によるコスト低減の取り組みも必要ですが、低コスト化が進むことにより自動車などへの採用も期待され、2020年度以降750億円程度、またはそれ以上の規模に成長すると思われます。 またGaN系は2013年に、先行する米国メーカーで商業ベースの展開が見込める一方、2014年度にかけて市場が形成され、2015年度には30億円程度まで成長し、その先の2020年には1,200億円程度の市場に成長するとの予想もあります。
今後パワーデバイスは私たちが快適な生活を送るうえで、より一層欠かすことのできない部品になることは間違いなく、今後更なる成長が期待されます。


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