Connections テクノアルファ Webマガジン

Jan. 2014 Vol.7

Section02 アカデミックレポート

ノイズ迎撃!! ~EMIテスタ~

テクノアルファの子会社である株式会社ペリテックのエンジニアTです。 いよいよ最終回になりました。今回はエンジニアを悩ますノイズ対策についてお届けします。

EMI試験結果
図1 EMI試験結果

前回お話したように、放射妨害波(EMI)の試験は電波暗室内に電子機器を置き、そこから発生する電磁波の強さを測定します。 そして規格で定められた限度値を超えていなければ合格となります。 図1はある電子機器をEMI試験した結果です。赤色の線が限度値です。 なんと、大幅に限度値を超えてしまっています!これはいけません。

このようにEMI試験をして、もし不合格になってしまったら・・・。
なんとかして合格させなくては商品として出荷ができません。 限度値を超えてしまった電磁波の強度を下げなくてはならないのです。 ところが、これがとても厄介な作業なのです。 もし電磁波が目に見えれば、電子機器のどの部分で発生してどこから飛び出しているかがすぐにわかります。 しかし、電磁波は目に見えないため、どこに原因があるかを捉えることが難しいのです。 原因がよくわからないまま、やみくもに対策作業をおこなうと、さらに深みにはまってしまうことになります。 ノイズ対策の第一歩は、ノイズの原因をはっきりさせることです。

ノイズ測定分布図
図2 EMIテスタ測定結果

では、目に見えない電磁波をどうやって捉えたらよいのでしょうか。 そのためのツールがEMIテスタです。 EMIテスタは電子機器の回路基板の近傍を小さなプローブで走査し、ノイズの場所を探ります。 イメージで例えれば、お医者さんが聴診器で胸の音を聞くようなものです。 そして、EMIテスタでは分布図としてノイズの場所をパソコンの画面に表示します。 ノイズの可視化により、エンジニアはどの部分にノイズがあるかを知ることができます。
先ほどのEMI試験で不合格になった電子機器の基板をEMIテスタで調べた結果が図2です。 赤色の部分がノイズのある場所です。ICの上から周囲の部品にかけてノイズがあることが解ります。 あとはこのノイズを低減するか閉じ込めるか。各々の電子機器に適した手法で対策を施します。 対策後に再びEMIテスタで測定をおこなえば、効果があったかどうかを把握することもできます。 このようにEMIテスタを用いてノイズを可視化するとノイズ対策の効率が格段にアップします。

イントラシステムEMCの例
図3 イントラシステムEMCの例

ところで、最近増えてきているEMIテスタの活用シーンを紹介します。
凄まじい勢いで普及が進むスマートフォンは様々な機能を持っています。 電話機能はもちろん、テレビ、ラジオ、Webブラウザ、カメラ、コンパス、赤外線通信、加速度計、GPS、無線LAN、Bluetoothなど、もはや出来ないことはないのではないかと思わせるくらい充実しています。 このような多機能化はユーザーにとっては大変便利です。 しかし、小さなスマートフォンの内部には電源回路、アンテナ、センサー、カメラ、制御回路、各機能の半導体、液晶表示器やタッチパネルなどがところ狭ましと詰め込まれる状況になっています。 そうするとお互いの部品どうしがすごく近くなって、スマートフォンの内部で前述のEMIとEMSが同時に発生することになります。 図3のように自分がノイズを発生して、自分自身が妨害を受けておかしくなってしまう現象が起きることがあります。 このような現象はイントラシステムEMC(または自家中毒)と呼ばれ、注目されています。 イントラシステムEMCの対策は、やはりノイズの発生源を解明して、ノイズの伝達経路や結合を調べることから始まります。 この用途にはEMIテスタが最適です。最新のスマートフォンの開発にもEMIテスタが活躍しています。

3回にわたり、EMCについて述べさせていただきました。 EMCは専門的な面があり、少し難しく感じたかもしれません。 ペリテックではEMIテスタ(EMV-200、EMV-100等)を展示ルームに用意しております。 また、ノイズ評価や対策の相談等も承りますのでお気軽にお問い合わせいただけましたら幸いです。

EMIテスタ


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