Section01 パワーデバイス業界ニュース
Pbフリーリフロー技術
第2回 ベーパーフェイズ(VPS)リフロー技術
前回はVPSの利点等を述べてきましたが、今回はVPSの仕組みと装置のレパートリーについて解説します。
まず、VPSの仕組みですが、下図のように非常に簡単な構造となっています。
プリヒータ:赤外線パネルヒータによりデバイスの温度を半田溶融点未満の温度まで上げることが可能です。
ベーパータンク:VPSの本体とも言うべき部分で、この中でリフローを行います。
冷却コイル:飽和蒸気を作るため、上昇した熱媒を冷却するための冷却水が流れるラインです。
熱媒(ガルデン):高い沸点を持つ不活性なフッ素系溶剤です。フロンとは違い、温暖化の影響を含まず、金属や樹脂などに反応することもありません。
ヒーター:熱媒を加熱して沸騰させるためだけに存在します。繊細な温度調節の必要はありません。
上記の通り、簡単なイラストで示していますが、デバイス搬送時にはデバイスを傾けることなく水平に保ったまま搬送しますので、デバイス上の部品がずれたりすることはありません。
次に、装置のレパートリーです。
VPSの搬送形式は、以下の通りです。
- バッチ式:搬送パレットがあり出入り口がひとつ
- インライン式:以下のような方式で入口と出口が異なるタイプ
- メッシュコンベアを用いた方式
- チェーン式搬送コンベアを用いた一般的なインライン方式
- 搬送パレットを用いた方式
※搬送はSMEMA規格に準じたインターフェースを採用し、ハンドリングに柔軟性があります。
※熱媒は左図の回収装置を用いることにより、8割がた回収可能となるため実質使用量は消費量全体の2割程度です。
搬送方式が異なっても基本的な構造は同じなので、前回お伝えしたメリットはすべての形式において同等です。
既存のリフロー装置ではちょっと物足りない! そう思ったらぜひお問い合わせください。