Section03 社内紹介
ケーワイエーテクノロジーズの主力製品
ケーワイエーテクノロジーズで独自開発したナノLCシステムDiNa、今注目の分野であるMSイメージング用前処理装置のTMスプレーヤー、開発したばかりで販売目前のカラムオーブンを紹介いたします。
【ナノLCシステムDiNa】
ナノLCシステム DiNa
ダイレクトにミクロ・ナノリッター(1nL-200ul/min)の送液を行う、低流速高速液体クロマトグラフ装置です。
グラジエントポンプ、オートサンプラー、スポッター等を組み合わせて様々なシステムを構築しています。
この装置は主にプロテオミクス(タンパク質の構造、機能について総合的に研究する学問分野の事)で使用するために開発された超低流量液体クロマトグラフになります。
一般的な高速液体クロマトグラフはHPLCと呼ばれていますが、当社の製品はナノLCと呼ばれ、通常のHPLCの2,000~3,000分の1程度の流速(ナノリットル/分)で送液できることが特徴となっています。
この装置で、カラムという部品に圧力をかけてサンプルを液体と共に流し込むと、サンプルが濃縮分離されて出てきます。
この濃縮されたサンプルを質量分析計(通称MS、サンプルの分子量を測定する装置)で測定して、タンパク質のアミノ酸配列や修飾部位を決定します。
システム全体としては、液体を送液するポンプ、サンプルを自動で注入するオートサンプラー、サンプルをプレートに時間毎にスポットするスポッター等の装置の組み合わせで構成されます。
これらは、大学、官公庁の研究機関、製薬メーカーなどで使用され、おもに未知のタンパク質の測定や、腫瘍マーカーの探索、遺伝子疾患病の原因タンパク探索、などの研究に役立っています。
ケーワイエーテクノロジーズのオリジナル製品になります。
【TM-sprayer】
TM-sprayer
HTX社製のTM-sprayerはMALDIイメージングの前処理を簡便に、再現良く行うことのできるマトリックス噴霧装置です。
特許を取得したノズルが均一で微細なマトリックスを噴霧し、高分解能イメージングを可能とします。
通常組織切片を質量分析計で分析する場合、サンプルを可溶化、トリプシン消化など様々な前処理を行った後に測定を行う必要がありました。 MALDIイメージングとは、組織サンプルを壊さず直接質量分析装置で測定することによって、組織内にどのような物質がどのように分布しているかを可視化(イメージング)するという、近年注目され始めている技術のことです。
この装置は、質量分析計で測定する前処理として、マトリックスといわれる試薬をサンプルに噴霧するための装置になります。
マトリックスを塗布したサンプルはMALDI-tof-MSという質量分析計で測定して、サンプルの分子量を求めます。
MALDIとはMatrix Assisted Laser Desorption/Ionization(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)の略称です。
この技術はノーベル賞を受賞した島津製作所の田中耕一さんが開発した手法です。
簡単にいうと、サンプルとマトリックスを混ぜレーザー光線をあてると、サンプル中のタンパク質がレーザーでイオン化され、イオン化したサンプルを質量分析計が取り込み、分子量を測定します。
【カラムオーブン】
カラムオーブン
- ペルチェ素子により加熱冷却を行うため高精度で温度制御ができます。
- カラム圧の低下によりロングカラムを使用する事が可能となります。
- カラムの洗浄効果向上
- 150mmのロングカラム対応
- キャピラリーカラム、ESIカラム両方対応しております。
カラムオーブンはナノLCシステムで使われるカラムを加熱保温する装置です。
カラムには、カラム中を溶媒が流れるとき、非常に圧力がかかります。
だいたい100MPaから150MPaかかることもあります。
カラムをオーブンで加熱、40-50℃に保温することで、圧力を下げることが出来ます。
圧力が低ければ、ポンプの負担が少なくなり、再現よく安定した測定が行えるようになるのです。
このシステムは、ケーワイエー、ペリテック、テクノアルファ3社による共同開発製品になります。